白木から本位牌へは本当の旅立ち!正しい切替えで故人を見送ろう
位牌について検索していると、「白木」というキーワードによく出会います。これは、いわゆる「位牌」とどう違うのか?白木というからには、よく見る黒いタイプのものとは違っているの?意外と知らない位牌の種類や仏教的なしきたりについて調べてみました。位牌といえば、仏壇の中心にあって、黒くて、何か文字が書いてあるアレ?・・・と、いわゆる「本位牌」をイメージする方が多いでしょう。しかし、実は葬儀の時に祭壇に置かれていたものとは違うということにお気づきでしょうか?白木位牌は “仮”の位牌親しい人の死を経験しなければピンとこないかもしれませんが、葬儀の時に祭壇に安置されているのは黒い位牌ではありません。塗りのない、木の素材感が生かされたもので、そこには享年、俗名、戒名などが記されています。(僧侶が手書きします)これが、いわゆる「白木位牌」と呼ばれるもの。野辺送り(火葬場や埋葬地まで亡骸を運ぶこと)の時、喪主が手に持って運ぶことから「野位牌」とも言われます。一見、それでも十分なように思えますが、この白木位牌が使われるのは四十九日の法要まで。ここを境に、死者の魂は本位牌に遷されることになります。白木位牌→本位牌の切り替え準備この本位牌は、基本的には葬儀屋さんが手配してくれますのでおまかせしてOK。大切な人を亡くした直後でそこまで頭がまわらないでしょうし、ゆっくり選んで発注して・・・なんてやっていたら葬儀に間に合いませんからね。ただ、本位牌は遺族が自分たちで用意する必要があります。それも、四十九日の法要に間に合うように!文字を彫り込む作業に時間がかかりますので、発注~納品は約2週間は見ておいたほうが良いですね。本位牌の発注手続きを簡単にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。① 仏壇のサイズを測っておく(仏壇に合うサイズの位牌を準備するため)② すでに他の方の位牌がある方は、そのサイズも測っておく(大きさをそろえないとアンバランスになります)③ 仏具店や通販サイトで好みの位牌を探す(故人のイメージに合うものを!)④ 戒名、俗名、命日、享年など、位牌に彫り込む文字を確認しておく(お手元にある白木位牌を参考に)⑤ 発注する基本的にはどんな位牌でも良いのですが、なんとなく心配な方は発注する前にお寺さんに相談しておくと安心です。本位牌が届いたら白木位牌はどうするの?無事に本位牌が届いたら、それで白木位牌の役目はおしまい。・・・ではありません!故人の魂は白木位牌に宿っている状態ですから、それを本位牌に遷し変えなければいけませんよね。これは「開眼供養」とか「魂入れ」とか言われる儀式で、四十九日の法要とセットで行われるケースがほとんどです。ですから、位牌を発注した段階でお寺さんにも報告をして、開眼供養の打ち合わせをしておくと何かとスムーズに進むんじゃないでしょうか。無事に法要が済んだら、今度こそ白木位牌はお役目終了!お寺で「お焚き上げ」という供養をしてもらいましょう。もうそこに故人の魂はないとはいえ大切なものには違いありませんので、お焚き上げにはぜひ同席して、その“最後”を見届けましょう。私も祖母の白木位牌のお焚き上げに行きましたが、「ああ、いよいよアノ世に旅立ったんだなあ」と妙に感慨深く、お葬式の時の湿っぽい感じとは違ったすがすがしさがありました。立ち上る煙と一緒に、あなたの悲しみも少しずつ癒えていくはずです。
Source: 葬儀のニュース