浄土真宗の先祖供養は独特!位牌が要らない?その理由とは

「仏教」といっても実は宗派がいろいろあり、教えや供養のしきたりは少しずつ違っています。ここで注目したいのは、仏教の中でもメジャーな浄土真宗。「浄土真宗は位牌が要らない」という説がありますが、それって本当なのでしょうか?また、位牌が不要な理由とは?大本の開祖は同じでも、そこから分岐していって教えの違いが時に争いの種になったりもする。それが宗教のちょっぴり怖いところですが、実は仏教にも「宗派」があるのです。そもそも浄土真宗ってどういう宗派?仏教の中でも、「浄土真宗」ってメジャーですよね。他の宗派とは少々違った扱いを受けているような印象ですが?それもそのはず、ちょっぴり教えが違っていて、独特なしきたりを持つ宗派なんですよ。宗祖は親鸞聖人で、教えの特徴は「念仏成仏」。阿弥陀如来に念仏することにより、人は死後、すぐに成仏できるのだとという教えです。「阿弥陀如来の力を借りて、念仏と共に生きていく」という意味で、「他力本願」「他力念仏」と表現されたりもしますよね。つまり、他の宗派のように遺族がわざわざ祈ったりしなくても良いというわけ。この独特な考え方は、位牌のスタイルにも表れているようです。浄土真宗で位牌が要らない理由念仏さえ唱えていれば、阿弥陀如来のお力によって成仏できる。・・・浄土真宗の教えをごく簡単にまとめてると、そんな感じになります。それに対して、他の宗派では、「死後四十九日までは魂がこの世をさまよっている」とか言われますよね。すぐには成仏できず、段階を追ってあの世へ以降していくというわけです。なので、位牌も四十九日を機に白位牌→本位牌へと魂を移し替える必要がありますが、浄土真宗ではその必要がありません。「故人はすでに浄土に行っている」と考えるので、回向(成仏を願って供養する)という発想自体がないんですね。じゃあ、亡くなった方の情報はどこに?でも、そうなると位牌がないとなると、故人の情報はどうやって管理されるのでしょうか?普通は位牌を見れば命日もわかりますが、それがないとしたら遺族も困るでしょうね・・・。これに関しては、「法名軸」や「過去帳」に記すというのが一般的。法名軸というのは小さな掛け軸のようなもので、位牌のように「法名(他の宗派でいうところの戒名のようなもの)」を記して仏壇に安置します。最近主流のマンション用の小型仏壇ではこの法名軸を掛けるスペースがなく、過去帳で代用しているケースも多いとか。また、供養のカタチも多様化しているため、浄土真宗でも位牌を作る方もいるみたいです。その場合、位牌の選び方は他の宗派と同様に自由ですが、魂入れは必要ナシ!そもそも「死者の魂がこの世に残る/現れる」という考え方自体がないので、あくまでも遺族の心のよりどことして安置するという形になります。このように、宗派の違いによって位牌の捉え方や祀り方も様々。今後は供養のカタチももっと自由になっていくことが予測されますが、宗派別の基本的なルール、習わしは覚えておくに越したことはありません。それが、“大人のたしなみ”ってものなのでしょう。
Source: 葬儀のニュース