神道にも位牌はある!仏教との違いに学ぶ供養のルールとは?
仏教がお釈迦様を開祖として敬うのに対して、神道にはいわゆる「開祖」はいません。亡くなった人や動物を“神”として崇める感じなので、亡くなった後の儀式も仏教とは違っていて、位牌の形状や取扱いも独特。ここでは、神道ならではの位牌のルールに注目してみました。人は死んだらどうなるのか。宗教の違いを理解するには、そこにフォーカスするとわかりやすいかもしれません。亡くなった方は“何”になるの?みなさんおなじみの仏教では、誰かが亡くなったら「成仏できますように」と祈りますよね。ざっくり言うと、「死者は“アノ世”に旅立って仏になるのだ」というのが仏教の考え方なのです。(正確には、人によって行く先は違うのですが)一方、神道では「人は亡くなると神になる」と考えます。実際、生前に偉業を成し遂げた人を“神”として祀った神社は日本各地にありますよね。人はみな神の子としてこの世に生まれ、この世での役割を終えると神々の住まう世界へと帰り、そこから子孫を見守るのだと考えられているんです。このような明確な違いがあるため、位牌の形状やそこに記す戒名の付け方も違っているんですよ。神道の位牌ってどんなの?一般的に、「位牌」というと黒塗りに金粉が施されたアレを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?しかし、神道における位牌はちょっと違っています。コチラで取り扱っているような、無垢木を使った位牌。仏教における「白位牌」に雰囲気が近いですよね。呼び方も、位牌ではなく「霊璽(れいじ)」と呼びます。戒名の付け方も仏教とは違っていて、男女別に年齢に応じて使命の下に「謚(おくりな)」+「命(みこと)」の尊号をつけます。よく、神社の「御祭神」のところに「~之命」と書かれていますが、あれはこの「尊号」だったんですね。男幼児・・・稚郎子 わかいらつこ少年・・・郎子 いらつこ青年・・・彦 ひこ成人・・・大人 うし老年・・・翁 おきな女性幼児・・・稚郎女 わかいらつめ少年・・・郎女 いらつめ青年・・・姫 ひめ青年・・・刀自 とじ老年・・・媼 おうな開眼供養はあるの?仏教の場合は、位牌を購入したらそこに故人の魂を入れる儀式が必要になりますよね。(これを開眼供養といいます)そのままだと、ただの木の札ですから。それは神道でも同じで、やはり「開眼供養」のようなものが必要になります。神道の場合は「遷霊祭(せんれいさい)」という儀式で、葬儀(通夜)の前にやるんです。仏教では四十九日に開眼供養をして本位牌に魂を移すので、ここが大きな違いですね。このように、仏教と神道では死者の供養の仕方が異なります。しかし、しかるべき手順を踏んで故人を“違う世界”に送り出すという考え方には違いありませんし、位牌や霊璽を供養の対象とするのも同じこと。こうして考えると、やはり人は、どんな形であっても亡くなった人の存在を近くに感じていたいのでしょうね。ちなみに、霊璽にもいろんなデザインのものがあるようです。(最近は特に?)インテリアや故人のイメージに合わせて選び分けるというのもアリですから、樹種や色、フォルムにこだわってみてはいかがでしょうか!桧製剣型の 霊璽 神道での位牌にあたります
Source: 葬儀のニュース